「あの、ありがとう」
「……別に。そういう根性悪いヤツが、嫌いなだけだから」
ふと視線を逸らしてわんちゃんを撫でる男の子に、胸が温かくなった。
「可愛いわんちゃんだね?名前なんていうの?」
「ルル。トイプードルの女の子。母さんが昔飼ってた犬と同じ名前なんだ」
「ルルちゃん。ルルちゃんも、ありがとう」
うるうると輝くアーモンドアイを見つめてお礼を口にしたその時。
「………仁菜っーーー!!」
あっ……、お母さんの声だ……!
思ったよりも近くで聞こえてきて、直ぐ様立ち上がり声のする方へと駆け出した。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…