「ニーナは今、無謀と承知で彼氏をつくることで必死なの。からかってないで、颯太も止めてやって!」


「は……?ニーナが彼氏?」



怪訝な表情をした颯太の眉がグッと寄せられる。

そんなに私が、彼氏つくる宣言したことがおかしいの!?



そりゃ……今まで全くもって彼氏って存在に興味や願望もなかったのは、紛れもない事実だけどさ……。


早速、ひーちゃんが早口で颯太に説明している。



「……へぇ。彼氏出来なかったら桐生の言うこときくんだって?お前さ、なんで勝てない勝負に挑むんだよ。ったく……」


「勝負とかじゃないよ……っ、これは私なりの決別っていうか。確かに、大魔王の挑発には乗ったけどさ……」


「決別だって?そもそも、桐生とは二度と関わりたくないんじゃなかったのかよ?」


 
ピシッ、と口ごもる私のおでこを颯太が指で弾いた。