緩いパーマがかかった黒い髪にシルバーのピアスをして、失礼だけどちょっとチャラそうな雰囲気を持つ颯太。
ひーちゃん曰く実際チャラい……らしいけど。
だけど、話してみるとすごく楽しくて面白い。
何より人の話にちゃんと耳を傾けてくれる。
一年の時に桐生秋十をあからさまに遠ざける私に「嫌いなのか?」って聞かれたことがあったっけ。
色々な話をしていく内に、アイツのことが大嫌いな経緯も聞いてもらって、時には愚痴ったりもしたし。
颯太のバカな話もお腹が痛くなるくらい笑える。
そんな風に話せる男の子は初めてだったから、嬉しかったんだ。
「別に、変なことなんて考えてないし……、」
「どうだか?顔赤いけど?」
「は、颯太のバカぁ………!」
「ぶはっ!お前、その顔じゃ図星だろ」
「うるさいなぁ!」
「すぐむくれんなよ。悪かったって」
イタズラっ子みたいに笑う颯太とは毎回こんな感じだけど、男の子で初めて友達って呼べる相手だと思ってる。



