私は小四の時にこの若葉町に越してきた。

ひーちゃんはなかなか馴染めなかった私に声をかけてくれたんだ。


ーーーー第一印象は、怖そうな女の子だった。


いつも怒ったような顔をしてて「日和ちゃんっていつも不機嫌だよね」とか「乱暴で怖いよね?」って、みんなが話してるのを聞いたこともあった。



「桐生くんが小四の時からニーナにしてきた意地悪を許せないのも、わかるけどさ……?」



今ではひーちゃんがどんなに優しいか私は知ってるから、怖いなんて思わないけど。


そして、私とひーちゃん、桐生秋十は同じ小中を卒業してきた。


アイツを嫌いな私の気持ちをよくわかってくれてる!


……と、私は思ってるんだけど。



「あんなヤツ……大嫌いっ!ほんとは、関わりたくもなかったけど……」


「ぎゃふんって言わせて、今度こそ桐生くんと決別したいってわけね?」



頬杖をついたひーちゃんにしっかりと頷いた。



「まぁ、でも……関わりたくないなんてそれこそ無理な話でしょ?だって、今年は同じクラスなんだから。7月にある臨海学習、同じグループって可能性まであるんだからね?」


「うぅ……考えただけで吐き気が……」