「キスくらいしてみせろよ?」


「っ、キス…………!?」


「出来ないわけ?彼氏なのに?」


「ハハッ……、出来るに決まってるじゃん……」



自分の首を絞めてるよ、私……。

ほんとは、キスなんてしたことない。


でも、既に勝ち誇ったような顔を見たら、ついついムキになってそう言っちゃったんだ。



「意地っ張り」


「……と、とにかく、絶対終業式までにアンタの前に彼氏を連れてきてやるんだから」



教頭先生のカツラを剥がすなんて、そんな可愛いもんで済ませてたまるか……!!!



「今からすごい楽しみ。心底困ったお前の顔、目に浮かぶ」



本当にしつこいけれど、この大魔王は私の運命の宿敵だ……。


この宿敵に打ち勝つためにも、私は絶対に素敵な彼氏をつくってみせると強く心に決めたのだった……。