「……うん。覚悟なら、出来てるよ?」



もう、とっくに出来てるから。

私が秋十にそう言えば、



「だから、可愛い顔すんなよ。お前のクセに」



ほんのりと頬が赤く染まる横顔。


見ているだけで胸が焦げそうになる。



「花火、もうこれが最後じゃん」



最後の花火が打ち上がるアナウンスが流れた。

夜空を見上げる秋十の表情を一心に見つめる私。


 
「秋十が……好き……」



花火が打ち上がったと同時、私は呟いた。


堪らなく、好きだって伝えたくなって。


とても自然に声になった。



「今のは反則なんじゃないの?」


「へ……っ?」



突然、夜空から私に視線を向ける。


まさか、今の聞こえてた………!?