「ごめんね……秋十。私、ずっと大嫌いだって言ってきて……ずっと、」



傷つけてしまってばかりだったよね。



「もう、数えきれないくらい……言ってきた。ほんとに、ごめーーー」



くしゃり、と。

私の髪に触れる秋十はちっとも怒ってなくて。

だけど、目を細めるその顔は少し意地悪で。



「その大嫌いって言葉、この先は好きに変えてやる」


「っ、」


「だから、覚悟してて?」



首を傾むけて口角を上げると笑みを零した。


やっぱり、その顔はちょっぴり大魔王だよ。