【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。





険しい表情で私を見据える颯太。



「なに誤魔化してんだよ!決別だって?ニーナの中心はいつも大魔王だろ?今も昔も……」



そうだよ。

ずっとずっとそうだった。


でも、いつの間にかこんなにも心を奪われて。
  

今だってアイツのことばかり浮かんでくる。



「傷つきたくないからって逃げんなよ……、」



精一杯。

声を絞り出した颯太は髪の先まで怒っていて。

ズキンッと、痛みが走る。

颯太が、ズルい私の心に問いかけてくるから。



「次、そんなこと言ったら、オレはお前と友達やめるからな……!」



“友達”……。

ふと、颯太を見上げれば、強い意思をこめた颯太の瞳が私を見つめ返していた。


  
「……オレだって怖かったよ。お前のことが好きだって伝えたら、もう……前みたいに笑ってくれないんじゃねぇかって」



良いところなんて一つも見当たらない私。

それでも、颯太は私を想ってくれていた。

けど、颯太の想いを私は受け止められなくて。