「結果は私の負け。見ての通り、彼氏出来なかったし……もう、決別出来たわけだし……ラッキーだよね？」
強がりでも意地っ張りでもない私。
こんなのは、ただ、傷つくことから目を背けてるだけで。
全然、正しくなんてない。
「なにが？ニーナ、お前なに言ってんだよっ？」
「ちょっ、颯太……っ、痛いよ」
突然、俯く私の頬を両手で抑える。
抗議の声を上げても颯太は離す気がない。
「好きな気持ちまでなかったことにするなよ……」
颯太の眉が強く寄せられた。
私の間違った考えを見透かしたみたいに。
こうやって、自分の傷にばかり敏感な私を、真っ直ぐな颯太が見逃すわけないのに。
「ふざけんなよ……決別なんか出来てねぇクセに！」
「……っ、」
心臓を揺さぶられるようだった。
