「ほんと呆れる。ここに来たらお前は堤の罠にまんまと落ちようとしてるし?告白どころじゃないよな」
「ちょっと!!アンタの告白が潰れたのを私のせいにしないでよね?」
「堤が好きだったとは意外だけど」
この男、人の話、全く聞いてない………!!!
「……好きなわけじゃない。てか、アンタに関係ないでしょ!私は夏休みまでに彼氏を作るの!絶対に……!何がなんでも……っ、」
夏休みまでって決めたのは特に深い理由はないけど、もし彼氏が出来たら素敵な思い出を作りたかったから。
桐生秋十のことを少しも考えなくなるような素敵な思い出が。
「へぇ。すげぇ気合い。男なら誰でもいいわけ?」
「ち、違う!堤先輩のことは、一応私なりにリサーチしたつもりではいたけど……、」
堤先輩の表の顔ではあるけどそこそこ情報は掴んでいたし、何度か会話もしたことだってある。
けど、肝心な恋心は抱いていない私。



