昼休みの誰もいない北校舎裏……。



私は肩まで伸びた栗色の髪を手でさっと直す。



そして、キョロキョロしながら辺りを見回して、ある人の姿を探していた。



それは、全校生徒の憧れの的である生徒会長ーーー堤(つつみ)先輩だ。



よく昼休みにこの辺りにいるって目撃情報をキャッチした。



私、今から告白します……!


相手が堤先輩だからかなり無謀で、むしろ振れられる確率はかなり高いってことも承知だけど……。


でも私……、高校二年になった蜷深 仁菜(になみ にいな)は、どうしても彼氏をつくりたい重要な理由がある……!



それも、今年の夏休みまでに………!!



明日から6月だから、あと約二ヶ月もないのだ!