「面白くない。すごい不愉快だよ……、」
「お前、可愛くない。そんなんじゃ彼氏なんか出来ねぇぞ」
「………か、彼氏!?」
うぅ……不覚にも声が裏返ってしまった。
そんな私を見逃すわけもない桐生秋十の口許は、意地悪たっぷりに笑みを浮かべた。
「ぷっ。すげぇ動揺してる」
「ハハッ……まさか。私は、これから恋をして彼氏をつくろうと思ってるの!アンタとは……正反対の、優しくて素敵な人!」
「なに強がってんの?意気込んでるけど、俺のこと考えてるうちは無理なんじゃない?」
「だから……っ、考えてなんかないって。ていうか二度と関わりたくなんてなかったのに!今だって顔も見たく……っ、」
キッと睨んだ瞬間………、
最後まで言い終えないうちに、私の腕を掴んで強くひいた。



