【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。





「ーーー娘を探して倒れるって……やっぱりお前のせいじゃん?偽善者って、お前のことだよ蜷深。なんとか言えよ!」



山本くんがドンッと乱暴に私を押した。

思い出すと苦しくて、お父さんのことを聞かれる度に私はこうして口を閉ざす。


だから、小五の林間学校の夜も、答えられずに私は逃げ出したんだ。



「ぷっ。でも、偉大な先生が熱中症で倒れるとか、ちょっとあっけないよな?」


「や、やめてよ……っ、」


「あ。やっと口開いた。謝ってくれたら、黙っててやるよ?そこに膝ついて、頭下げて謝んな?偉そうなこと言って、すみませんでしたって」


「……っ、」



私のことはどうでもよかった。


けど、お父さんのことを噂話のように周りに話されるのだけは、絶対に耐えきれなかった。