ーーーー“先生なんて辞めちゃえばいいのに!”
夕方に近づく夏の空の下に私の声が響いた。
つまらないヤキモチを妬いて私からお父さんの手を放したんだ。
横断歩道へと飛び出して、ふてくされた私は家には帰らず町をぶらぶらして時間を潰した。
それから、夕焼け放送が鳴って家に帰ると、「あら?お父さんは?」ってお母さんに言われた時。
私は、ものすごく不安な気持ちに襲われた。
病院から電話があって駆けつけた時には、もう手遅れだった。
ーーーー“熱射病を起こしていたようですね”
お父さんは、私と仲直りをしようと思って、炎天下の中ひたすら私を探し回っていた矢先、倒れた。
ーーーー“ニーナちゃんを見なかったかって聞かれたわ。怒らせちゃったから、謝らなきゃって”
近所の人がお母さんに話していたのを聞いていた私は、大声をあげて泣き叫んだ。



