「“あのパワフルな先生が何故”……って、書いてあった。地元ではかなり信頼が厚くて、子供達から人気者。すっげぇじゃん!」
その言い方はどこか芝居がかって聞こえる。
嫌な予感がする………。
胸騒ぎが起きて指の先が冷たくなった。
「そんなヒーローみたいな父親を亡くしたんだ。そりゃ、死にたくなるなんて軽々しく言うヤツは許せないよな?」
「……、」
「でも、それは蜷深が言えることなのか?」
「……え?」
ようやく発した声が掠れていた。
ヘラっと顔を歪めて笑う山本くんに息を呑む。
「あんなことよくもオレに言えたよね?」



