「でも、オレはいつまで日和にこうやって守ってもらってんだろうって思った。だから、“もうオレのために何かしようって思わないで”って言ったんだよ……?」



だからかな……。


だから、ひーちゃんはあれだけ一緒にいた晴くんのそばを離れるようになったのかな?


だけど。

二人はいつも一緒がいいって私は思うよ。



「わたしは……晴の隣にいちゃいけないのかなって……、」


「日和さ、ほんと極端だよね?なんでオレがそんなこと言ったのか、理由も聞かないんだもん」


「えっ?」



ひーちゃんの頭の上にトンっと顎を乗せる。


           
「今度はオレが……日和のことを、守りたいって思ったから」



揺るぎない声がひーちゃんの瞳に熱を宿す。



「日和のことが大切だからだよ?」



その瞬間。

堰を切ったように、ひーちゃんの瞳からは大粒の涙が溢れ出した。