一年の時は、ありがたいことにお互い廊下の端と端の教室で、顔を合わせるこも滅多になかったから安心した日々を送った。
ていうか……私が、桐生秋十と目も合わせないし、近くにも寄らないように細心の注意をはらったから。
どうかこのまま、二年生も三年生も同じクラスになりませんように!って毎晩祈っていた。
なのに、なのに…………!!
「なんで、桐生秋十と同じクラスなの……」
大魔王、再び…………!!
それでもやっぱり顔は極上にカッコいいって騒がれているだけあって、クラスの女の子達は新学期の放課後も、黄色い声をあげていた。
「やばっ……桐生くん超カッコいい!!」
ハッ……顔だけは、ね……顔だけは!
「わかる。カッコよさは異常だよ!もう胸キュン注意だよ!見てるだけで苦しいくらい……キャッ!」
ゲホォッ……、私もアイツと同じ教室で同じ空気を吸ってるだけで、ほらこんなに胸が苦しいよ。
当然だけど、視界になんて入れたくもない。



