一応グループごとにまとまって座ってるものの、颯太の隣は気まづいかも……と漏らした私に、気を遣ってくれたひーちゃん。


昨日の放課後、陰を落とした颯太の表情が……言葉が、ちょっとひっかかってるんだ。


当の本人である颯太は私の予想に反して全くいつも通りなんだけどね。


一番後ろの座席をいいことにポテチなんか開け始めちゃったし。



「……で?颯太、アンタちゃんとスケジュール立てたの?」


「立てたっつぅの。って言っても大半は元から決まってんだろ。だから、自由散策の時間くらいだ」


「それはご苦労ね。んじゃ、宿泊先に着いたらスケジュール発表してもらうわね!」



フフフ、と笑ったひーちゃんの肩越しに、適当に相槌を打つ颯太が見えた。


海に入るのは子供の時以来かも。



「ねぇ、ニーナ。水着どんなの持ってきた?」


「え……?学校指定の水着じゃないの?しおりにもシンプルなものって書いてあったから」