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オレンジの光が教室の中に射し込む放課後。
遠くで蝉の大合唱が聞こえる。
「あれ……日和はどこいったんだよ?」
「あ。颯太。ひーちゃんなら、日誌提出しにいったよ。今日、日直だから」
ひーちゃんの帰りを待つ私の前に颯太が座る。
「なんだよ……明日の臨海学習のスケジュール立てとけって言ったクセに」
開け放たれた窓から生温い風が吹き込んで、ふわりと颯太のゆるふわパーマを揺らす。
「………彼氏作りは上手くいってんのか?」
くしゃりと髪をかきあげる颯太の唐突な質問。
「い、いや、全然……、」
「ふーん。あんなに気合い入れてたのにな?」
「……、」
私の方へ身体を向ける颯太が眉を高くする。



