窓に寄りかかる私をひーちゃんは訝しげに見つめる。
「なんかあったんでしょ?白状しないと、鼻に指突っ込むわよ?」
ひーちゃんのことだから本気で第一関節まで突っ込みそうだな。
「あのね……、」
怪しむひーちゃんの視線と人差し指から逃げ切れるわけもない私は、昨日保健室で起きたことをポツポツと話した。
キス……されたこともありのまま。
「……ふぅん。宣戦布告……ね?」
だけど、ひーちゃんは顔色一つ変えない。
「ふ……ふぅんって。驚かないの、ひーちゃん?」
「驚かないよ。だって、桐生くんは昔からニーナだけは特別だもん。わたしは気づいてたから……」
“特別”……。
それはいじめるターゲットとして?
それとも……。



