いつもはこれでもかってくらいに毒を吐くけれど、意外にも真面目に答えたひーちゃん。


聞き上手で、アドバイスも真剣にする。


自然と居心地の良さを与えてくれる颯太の周りには、いつも男女問わず人が集まっている。



颯太はそういう男の子。

私だってそのうちの一人なんだって今さらながら自覚してしまう。

そんな颯太に惹かれる女の子がいるのは当然。



もし、颯太に彼女が出来たら、今までみたいにふざけあうことは出来ないなぁ。


チャラいって言われてる颯太だけど、いざ彼女が出来たら、すごく大切にしそうだもん。



「まぁ、桐生くんの人気には負けるけどね」


「え……っ、」



いきなり出た名前にドキリと心臓が反応した。



「……あれ?桐生くんの名前出したのに、“あんな大魔王大嫌い!”とか言わないの?変なのー」