「これで二度目じゃないか、蜷深!先月は俺の授業で居眠り、今回は上の空か?ほうほう。そんなに授業が退屈なんだな?」



よりにもよってまたまた古田先生の授業中に……。


ブルは怒りのあまり、喋る度に頬っぺたのお肉がブルブル揺れてる。



「そうかそうかー。退屈かぁ。じゃあ、問二の歴史上の人物を述べてもらおうか?ほーら、簡単だぞー?漢字4文字だぞ!」


「………わ、わかりません」



みんなの、あちゃーっ!て視線が痛いよ。

颯太なんて「バカ」って口を動かしてくる……。



「……ん?わからないだと?先月は、サラッと答えられたじゃないか?どうした?そうやって、余裕をかましてるとこうなるんだぞ!わかったな!?」



古田先生、顔のアップほんときついです…………。

あの時はアイツが教えてくれたから答えられた。



古田先生が教卓へ戻りこってり叱られた私が、項垂れるように隣の席を見ても当然空席で。


どうしてか、あれだけ嫌だったのに隣の席のアイツがいないといつもと違う感じがした。


ものすごく静かで……。