「私のこと……ほっとけばいいのに」
憎まれ口をきく私の頭の上にポンッと乗せられた手。
振りほどきたいくらい大嫌いだったその手……。
なのに、私はどうしようもなく泣きそうになる。
「昨日、山本に言ったこと間違ってなんかねぇよ」
「え?」
ーーーー“おかしくていい……っ、それに、死にたくなるなんて、簡単に口にしないで!”
「間違ってない。でもお前は、そうやって強がってばっかだから。ほんと、ほっとけねぇ……」
どうしてバカにしたりしないんだろう。
嫌がらせも、悪口も、困らせることも。
大得意のアンタが………。
「……っ、なんで、アンタがそんなこと……優しい言葉なんか……、」
ーーーどうして意地悪なきみが
「お前のことしか見てないんだから、しょうがないだろ?」
そうやって、私を揺さぶってくるんだろう。



