「……何回も言わせんなよ」



キュッ、とスカートを握り締める。

私の声はいつもどんな風に聞こえてるの?



だって、私はアンタが嬉しいって思うようなことなんてただの一度も言った覚えがない。


なんで、私はアンタなんかのところに来ちゃったんだろう。



こんなはずじゃない……。

終業式までに素敵な彼氏をつくろうって思って。

アンタと決別したかったのに……。



なのに、どうして私はこうやって、桐生秋十のことばかり考えてしまうんだろう。



「…………あ、アンタ、変っ!!」


「は?なんだよ、いきなり」



もう、耐えきれなかった……。

身体中が熱くなって言葉も見つからなくて。

気づけば勢いよく叫んでいた。



本当は、昨日はありがとうって言いたかったのに、私はそれが言えなくて。