「寝込み襲うつもり?いくら俺が大嫌いだからって、それは反則だろ?」



自嘲気味に笑ったあと短い溜め息を零す。



「ち……違うっ!大嫌いなんかじゃ……、っ、」


「は……?」



あ……。

え……ちょっと、待って………。

私、今……なんて言った………?



桐生秋十は一瞬信じられないと言いたげな瞳をしていて、私は咄嗟にくるりと踵を返し、逃げ腰になる。



「……そういうこと言うのはもっと反則だから」



だけど、背中に聞こえた声が私を引き留めて……



ーーーパシッ



「きゃっ……、」