「は、離して………!いつまで掴んでるの!?」



身体をねじって必死に腕を解くとキッと睨んだ。



「つぅかさ、お前ってそういうことするヤツだったわけ?」


「………そういうことって?」


「なに、お前。知らないの?この北校舎裏は、堤の“女遊びの場所”って」



は……?

その言葉にたちまち頭の中が真っ白になる。



「……う、嘘だっ!」


「嘘じゃないって。結構有名なのに、知らないとかバカ?」



フッと口角を上げた桐生秋十に怒りを覚える。

バカにしたみたいな、呆れたような顔……。