「……その子、桐生くんの彼女なわけじゃないんでしょ?」


「まさか。ただ、俺とコイツは昔から特別な関係ってやつ?」



意地悪な笑みを私に向けて首を傾ける。


特別な関係なんて……よくも、そんなことが言えるよね?


本当に、神様はどういうつもりでその容姿を与えたのか大きな疑問を抱く。


私と同じ二年の桐生秋十は、私の宿敵なんだ。


運命の宿敵と言った方がいいかもしれない!



「なっ?仁菜?」



私は、アンタの顔も見たくないのに………!



「と、特別な関係……?まさかきみとニーナちゃんも……、」



焦った声でそう言った堤先輩は、酷く冷たい眼差しを送る桐生秋十に、ビクリと顔を強張らせた。



「“ニーナちゃん”って何?気色わりぃヤツ」


「……っ!!特別な関係って、き、きみがっ、言ったんじゃないか……っ、だからただ聞いただけで……!」


「は?堤、お前がよくわかってんだろ?なに言ってんの?」


「うっ……」