「お前が無視すんのがいけないんじゃない?」


「……なに、それ?」



そんなの当然でしょ……?

小学校時代に散々な意地悪をされ続ければ、中学三年間、誰だって口もききたくなるってもんだよ。



「だから、お前が俺と口きかないからだって」



それなのに怒って言い放った私とは裏腹に、涼しげな表情をした桐生秋十が笑みを漏らす。



「私が口きかなかったから?意味わかんない……」



私が桐生秋十の前を立ち去ろうとした瞬間……、



「お前の声が聞きたくて仕方ないんだから、しょうがないだろ?」