「俺は、そういうお前がほっとけないんだけど、どうすればいいわけ?」


「ほ、ほっとけないって……アンタがそんなこと言うなんて、おかしいよ……」



憎まれ口でもきかなきゃ、今度こそ本当に泣いてしまいそうだった。


ただただ驚きに染まる私は桐生秋十が否定するのを数秒待っていたけど、率直な視線は変わらずに私を見つめていた。



「もっとわかりやすく言った方がいい?」


「……そ、そうじゃない。てか、そういうこと、誰にでも言ってるんでしょ……?ほんと、ありえ……」


「お前にしか言ってない」



真っ直ぐな視線はいつになく真剣だった。



「わ、私は……っ、アンタのことが嫌い……」


「わかってる。もう聞き飽きたっつぅの……」



悲しげに笑う顔が傷ついているみたいだった。


それを見てズキッと胸が痛くなったのは初めて……。