同時に私の頭に手を伸ばしてポンと優しく触れる。
そっと包み込むように優しく……。
喉の奥がギュッと苦しくなって堪らなくなる。
「………やめてよ、」
ふいっ、とその手から逃げるように体重を後ろへとかける。
「そうやって強がってばっかだと、心配になるんだけど?」
「……っ、心配なんて、しないのがアンタでしょ?」
なに言ってるの………?
最近の桐生秋十が明らかに今までと違うことにすごく戸惑ってばかりだ。
ひーちゃんの言うように優しいなんてことを、私は認めたくないからかもしれない。
「ちょっ……、」
くしゃり、と……。
今度は髪を撫でられて目を白黒させた。
「意地っ張りだよな、お前は……」
くしゅくしゅと髪に触れながらフッと笑う。



