「不意打ちは反則だろ?」
「違……っ、これは……その、アンタが後ろにいるから……だから……、」
「……ほんと、俺が困るっての」
「……え?困るって、」
吐息混じりに吐き出された言葉。
腕の中で桐生秋十を見上げると、ふいっと顔を逸らされてしまった。
けど、私を包む腕はしっかりと固定されたまま。
「お前がこんな近くにいるせいだろ?ふざけんなよ……」
「っ、」
私の心臓はやっぱりどうかしちゃったみたい……。
すごい速さでドキドキって音がしてる。
それに、大嫌いな桐生秋十のこんな顔、見たことない。
まだうっすら明るいせいか、その横顔が微かに赤く染まって見える。



