暗黒王子と危ない夜


「今日、ほんとは中島に会わせようと思ってて」

「え? あ、うん……」

「でも雨だから。また明日でいいかな」


そっか。
本多くんにとっては、この距離感が普通なのか。
いちいち動揺してたらきりがない……。



「雨、ここまで激しいと困るね」



誰いない空間にふたりきり。

空を見上げる瞳が、何かを憂いているように見えた。



「もう行く? それかここで、雨が止むのをもう少し待ってみよーか」



今外に出たら、傘があってもきっと濡れてしまう。

だけど、このままふたりきりなんて、心臓が持ちそうにない……。