対するあたしは、なるべく挙動不審にならないように窓の外をぼんやりと眺めてみたり。
自分の足元を見つめたり。
そしてまた、本多くんに視線を戻したり。
意識すればするほどむしろ不自然になっている気がしてならない。
視線を伏せたまま、遠慮がちに観察する。
スマホを持った反対側。本多くんの左手には紙袋が下げられていた。
「もう行った?」
黒い瞳が向けられ、心臓が跳ねる。
「うん、もう誰もいないよ」
ガチャリ。音を立てて扉が開く。
目の前に広がるのは昨日と同じ風景。
扉周辺は、思っていたよりも広くて驚いた。
入り口から縦に2メートルほど屋根が伸びているから、雨も避けられそう。



