本多くんと三成くんのふたりがいないことについて、先生は何も触れず。
そのまま日直が号令をかけて終礼が始まった。
基本は全員揃わなければいけない終礼。先生が何も言わないのは、“あのふたり”だからだ。
本多くんがふらっといなくなっても、三成くんが授業中に居眠りをしていても。
ふたりが先生に怒られているところなんて一度も見たことがない。
見た目だけは優等生な本多くん。
見た目こそ派手だけど成績は抜群に良い三成くん。
両者、いい意味で高校生に見えない。大人でさえ気圧されるような不思議なオーラがある。
口を出さずとも、あのふたりは一線を超えるようなハメは外さないという、漠然とした安心感のようなものがあるのか。
はたまた、恐れて声を掛けられないのか。
教卓の前で淡々と話を進めていく先生を見つめながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。



