暗黒王子と危ない夜


本多くんが、ふいに何かを差し出してきた。

ス…と机に置かれたのは一枚の紙切れ。



「おれの番号。ラインよりこっちのほうが早く気づける。何かあったらいつでもかけて」

「は、……はい」


ぎこちない手つきで受け取ったものの。

──本多くんの番号なんて、あたしがもらってもいいの?

戸惑っているうちに、チャイムが昼休みの終わりを告げた。


「今日はおれが送るね。……早めに会わせておきたい奴もいるし」


それだけ言うと背を向けた本多くん。
彼のあとに続いて、三成くんも「じゃあな」と手を振った。


「終礼のあと、教室で待ってろよ」


と、付け加えて。