『──目的がないと生きられない?』


『はい。慶一郎さんに……あ、おれの世話をしてくれてる人に、そう言われて。だからいつもおれが生きやすいように仕事をくれるんです。慶一郎さんから与えられる仕事をこなす、っていうことを目的にしていればいいからって』



『んんと……難しい話だね。だけどそしたら。学校にも目的さえあれば行く、ということだよね?』


『……慶一郎さんにそう命令されるなら、ちゃんと行きます』



『ううん。そういう意味じゃなくてね。前に、学校は楽しいと言ったよね。それは、きみの目的にはならないのかな』


『楽しい、のは……友達がいるから、で。……だけど、友達はおれといると、色々巻き込んじゃうから、』



『なるほど。それなら、その友達の幸せのために学校に行く、というのは目的になり得るよね。椎葉が、きみと学校でずっと一緒にいたいと、僕に頭を下げたことは知ってるかな?』


『───……え?』