でも……似合うだろうな。
綺麗なつくりの横顔を見てそう思う。
色白で、鼻筋の通った美しい輪郭。
前髪からのぞく切れ長の瞳はどこか冷めた印象を与えるけれど、笑えばやさしい弧を描く。
「おれも三成くらい頭がよかったらなあ」
「本多くんも、頭よさそうに見えるけど……」
「ははっ、おれは下から数えたほうが早いよ。ていうか今年は留年するかも」
冗談なのか本当なのか。
もし本当だとしたら、それは授業にあんまり出ないからなんじゃ……。
思ったけれど口には出さないでおく。
夜風が吹いて、本多くんの柔らかそうな黒髪を揺らした。



