──椎葉三成くん。

クラスで、本多くんとよく一緒にいる彼。


その他にも数人、本多くんを囲んでいるメンバーはいるけれど、ふたりが一番仲が良いように見える。

かと思えば、気づけば本多くんだけがひとり、教室から消えていたりすることもしばしば、なのだけど……。



「そういえば。椎葉くんって……成績が学年1位だったよね」


思いきって話題を振ってみると、本多くんの表情が心なしか柔らかくなった。


「うん。三成は頭いいよ。見た目によらずね」

「確かに見た感じは少しちゃらそう……かも? 髪色も派手だし……ピアスも開いてた気がする」

「そうそう、右みっつと、左よっつ」


右と左、交互に自分の耳を指さす本多くん。

そんな彼の耳には、飾り物なんて一つも付いていなくて。