「やっぱ慶一郎さんのこと恨んでんだろ。従順なフリして刺す機会狙ってたんだよな」
「……来てくれたかと思えば、随分といやな言い方するんだね」
「ちゃんと答えろ。お前あの人を殺して、その後はどうするつもりだったんだよ」
「……ちょっと待って。話、飛躍しすぎだから」
ここからではもう、中の様子は見えない。
だけど三成の険しい表情と、狼狽えている本多くんの姿が想像できた。
「嘘とかつかなくていい。お前、殺そうとしてしくじったんだろ。違うか?」
「……、」
「熱にやられて妙な起こして、慶一郎さんに手を掛けようとした。けど、慶一郎さんは見抜いてた……とかじゃねえの? 予め読まれてたんじゃ、腕一本で勝てるわけねぇもんな」
三成は、答える隙を与えないまま攻め立てる。
「俺は、お前が思ってる以上にお前のこと知ってるからな」
「……だから嫌なんだよ、三成に知られるの。ほんと……世話焼き」
弱々しい声が耳に届く。
「俺だけじゃねーよ。中島は、お前のことに関してはマジで口軽いからな。あいつ、お前が話したがらない話をするのが好きなんだぜ」
「知ってる。どうせ全部中島が言いふらしてるんだろうなって思ってた。やっぱりおれ、中島のこと一生嫌い、」



