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暗い世界から引き戻され、まぶたを開けると、知らない天井がぼんやりと映し出された。

きらびやかなシャンデリア。もしかしてまだ夢の中なのかも、と思いつつ。

背中に感じる柔らかい感触に、ここはベッドの上だとわかる。




「目ぇ覚めたか」


声の飛んできた方へ視線だけを向けると、そこには三成がいて。


「……え? あれ、あたし……」


自分の状況をようやく把握した上で、意識を失う前の出来事を思い出す。


……そうだ。

黒蘭の人に捕まって……、本多くんが助けに来てくれた。

それから──。


はっとして体を起こす。



「三成、本多くんは……っ?」

「まあ落ち着けよ」


三成はあたしの肩に手を置いて、ふう、とため息をひとつ。



「スマホ見れなくて悪かった。家の用事で電源切ってたんだ」


そう言われて改めて見てみれば、三成がスーツを着ていることに気づく。



「ちょうど終わった時に七瀬から電話がきて、迎えに行くように言われた。お前をとりあえず俺の家で休ませてやれって」

「……じゃあ、本多くんは」

「あいつは車に乗らなかった。行くところがあるって自分でどっかに歩いて行ったぞ」



……行くところ?

いったいどこに……。

真っ先にエナさんの姿が浮かぶから、急いで頭から振り払う。



「……つーか七瀬、ありゃ右腕イッてたな。まさか牧野相手に手こずったのか?」