……なに、これ。


「……相沢さん?」

「ひぁ、…っ」


触れられた瞬間、電気が流れたかのような刺激が体中に走る。



……今、触れないでほしい。

どこか、何か、おかしくなってしまいそうだから。


お腹のしたのあたりが、ぎゅう…と切なく締まるような。

それを伝えようと本多くんを見つめるけれど、目に涙が溜まるばかりで、なぜか何も言葉が出てこなかった。


「……っ、は、ぁ」


熱が思考を奪っていく。

呼吸が乱れていく。



「ごめ、なさ……っ、なんか、体、おかしく……て、」

「……まずい。クスリが本格的に効いてきたか」



本多くんの左手が伸びてきて、指先があたしの涙をすくい上げた。

そして、体ごと自分の方へと引き寄せる。



「……っや、」


抵抗する力はなく、体は素直に本多くんの胸の中におさまった。



熱い、苦しい──。

激しい鼓動を感じながらも、意識はどこか遠くにあるような感覚。


「ごめん、苦しいね」

大きな手が、あたしの背中を優しく撫でる。



「大丈夫、すぐ楽にしてあげる。……手荒な方法になるけど、少しだけ我慢して」



そんな声を耳元で聞きながら、ぐったりと目を閉じた。