弱々しいあたしの声なんて届くわけがない。
そもそも、本多くんは大丈夫なんだろうか。
あの人たちにやられて、ひどい怪我を負っているかもしれない。
大丈夫って言っていたけれど。
強いって噂も聞いてたけれど。
複数を相手に、なんて、やっぱり……無茶なんじゃ、ないの?
「七瀬の女とヤれるなんてツイてるわ俺」
不気味に弧を描く唇が気持ち悪い。
見たくなくてぎゅっと目を閉じた。
「安心しな、傷はつけねぇよ。これから先いくらでも利用価値がある体だからな」
男の手が胸元に触れたとたん、閉じた瞳の奥から、熱いものが溢れてしまう。
下着の隙間から容赦なく入りこんでくる。当然だけど、優しさなんて微塵もない。
胸元を乱暴に弄びながら、脚を無理やり開かせられた。
咄嗟に閉じようとしても、間に入ってきた体がそれを許してくれなかった。
「やめ、て……お願い……っ、」
どうしよう。
どうしたら……。
「泣いてんの?カワイーね。もっと酷いことしたくなるなあ」
「っ、やぁ……っ」
裏門の方向から誰かの足音が聞こえてきた。
たぶん……この人の仲間。
血の気が引いていく。
男と女。ただでさえ力の差があるというのに、複数で押さえつけられたら、もう──。
「……へえ。ずいぶんと楽しそうなことしてんね。おれも交ぜてよ」
どこか遠くで聞こえたそのセリフに、もう終わりだと。
諦めて──体の力がぜんぶ、抜けた。



