バランスを崩したあたしの体に、覆いかぶさるようにして男の人が一緒に倒れてきた。


「大人しくしてろ」


駐車場の砂利に肌が擦れて痛みが生まれる。

そんなのお構いなしに手首を掴まれて、身動きが取れなくなってしまった。


4人いたうちの、ひとり──
一番右に立っていた人だ。


助けを呼ばれたらまずいと思ったのか、本多くんをあとの3人に任せてあたしを追ってきたらしい。

ここの位置からは、本多くんはもう見えない。

そしてひと気のないこの場所からじゃ、助けを呼ぶことも不可能……。


「お前、七瀬とどういう関係だ?」