◆
◆
「──萌葉。箸すすんでねえぞ」
肘で軽く小突かれて、はっと我を取り戻した。
周りからの視線も痛いほど感じる。
「食欲ねーの? それとも寿司嫌なのか?」
「ううん好き。すごい美味しい……」
「だったら食え。お前細すぎだよ」
今は食事会の最中で、1階にいるメンバー全員でテーブルを囲んでいる。
あたしの右隣には三成くんがいて、左隣の席二つは空いている。
コーラを買いに出て行った中島くんと……本多くんの分。
三成くんとあたしがそんなやり取りをするたびに、メンバーの中から小さなどよめきが起こっていた。
突然、青藍に現れたあたしのことが気になってしょうがないんだと思う。
もしかしたら疎ましく思われているのかも。
あたしのことは気にせずに、好きに騒いでいてくれたほうが楽なのに……。
そんな状況の中
「あ、あの……三成君」
メンバーの一人が恐る恐るといった感じで三成くんに声を掛けた。
「あ?」
「その女……、女性は、三成君のコレっすか?」
小指を立てるその人に、三成くんはすかさず「ちげーよ」と返す。
「黒蘭の下っ端とモメてる最中に七瀬が巻き込んだオンナノコ。連中に目付けられてっから守ってんだよ」
◆
「──萌葉。箸すすんでねえぞ」
肘で軽く小突かれて、はっと我を取り戻した。
周りからの視線も痛いほど感じる。
「食欲ねーの? それとも寿司嫌なのか?」
「ううん好き。すごい美味しい……」
「だったら食え。お前細すぎだよ」
今は食事会の最中で、1階にいるメンバー全員でテーブルを囲んでいる。
あたしの右隣には三成くんがいて、左隣の席二つは空いている。
コーラを買いに出て行った中島くんと……本多くんの分。
三成くんとあたしがそんなやり取りをするたびに、メンバーの中から小さなどよめきが起こっていた。
突然、青藍に現れたあたしのことが気になってしょうがないんだと思う。
もしかしたら疎ましく思われているのかも。
あたしのことは気にせずに、好きに騒いでいてくれたほうが楽なのに……。
そんな状況の中
「あ、あの……三成君」
メンバーの一人が恐る恐るといった感じで三成くんに声を掛けた。
「あ?」
「その女……、女性は、三成君のコレっすか?」
小指を立てるその人に、三成くんはすかさず「ちげーよ」と返す。
「黒蘭の下っ端とモメてる最中に七瀬が巻き込んだオンナノコ。連中に目付けられてっから守ってんだよ」



