「本多くんは何組だったの?」
「おれは4組。中島は、5組だったかな」
「へえ……。違うクラスだったんだね」
「いつも一緒にいると、クラス替えで別々にされやすいって聞いた……特に問題児は。だからか知らないけど、3年間中島と同じクラスになったことないよ」
思い出すように目を細めて、小さく笑う。
「やっぱりおれも見たくなってきた」
「っ、」
本多くんが立ち上がると、ふわりと空気が動いた。
一つ一つの動きに、さっきから過剰にに反応してしまって恥ずかしい。
胸の中がざわざわしていて、居心地が悪いような。
この空間にずっと居たいような。
矛盾した気持ちが体を支配する。
「烏龍茶しかないけど……飲む?」
「あ…ありがとう」
気を遣わせているようで申し訳ない。気の利いた返しができない自分がもどかしい。
三成くんや中島くんと話していたおかげで異性と接することにも少し慣れたはずなのに、本多くんの前だとどうしても緊張が解けない。



