三成くんが「ついて行けよ」と本多くんの背中を指さすから、慌ててあとを追いかけた。

鉄の階段。

真っ直ぐ2階まで伸びていて、上の方は灯りが付いていないのか、ぼんやりとしていて見えづらい。



「ごめん、暗いね。スイッチ上にしかないんだ」

「ううん大丈夫。 ……2階には、他に誰もいないの?」

「いない。主に幹部室と客室だから。あとは調べもの用のスペースぐらいで」

「……そうなんだね」


幹部……。きっと、三成くんや中島くんがそれにあたるんだと思う。


「これが客室。幹部室はその奥ね。そして、おれの部屋はこっち」


全て上りきると、カチッと音がして灯りが付いた。
角を左に曲がる。

本多くん専用のスペースもあるんだと一人で関心していたら、廊下の突き当りに黒い扉が現れた。


倉庫自体も中から閉め切られているのに、この部屋にも鍵……。

セキュリティがすこすぎる。

メンバーでさえ立ち入りが禁止されている、のかな。