三成くんは目を丸くした。
「じゃーお前、何に誘われたかもわからずノったのかよ」
コクンとうなずく。
「七瀬は今も総長やってるよ。全然顔出さねえけど」
「総長……? 何の?」
「七瀬が黒蘭にいた頃、七瀬を慕ってたやつらが半ば強引に作らせた組織。……“ 青藍 ” って、聞いたことねえ?」
──セイラン。
「青に、くさかんむりの藍って書く。族を率いるようなことはもうしたくない、向いてないって渋ってたけど、青藍って名前だけはちゃんと七瀬が付けたんだぜ」
「そうなんだ。綺麗な名前……」
「七瀬は青が好きなんだよ。普段は黒い服ばっか着てるけど」
もう一度ジュースをすすって、三成くんは笑った。
「黒蘭と語の響きを似せたのは、皮肉も入ってるかもしんねぇけどな」



