暗黒王子と危ない夜


──放課後。



「おっせーえええよ」

終礼が終わるなり急いで裏門に向かったというのに、三成くんに怒られた。



「ごめん。でも終礼出てない人に言われたくないよ……」

「終礼なんか大した話もなく一礼して終わりだろ。サボれ」

「無理だよそんなのっ」


理不尽なことを言いながら、みかんのパックジュースをずずっと啜る三成くん。


「車、向こうに停めてあるから早く行くぞ」


あたしの腕を引いて先を急かす。


「あの、本多くんは?」

「どっかで中島と電話してる。 すぐ来るだろ」

「そっか……」

「ちょっと歩くけどいいか?」

「うん」


裏門はひと気がなかった。