「そういうところは大人っぽいんだけど、本当は人見知り激しいし恥ずかしがり屋っていうね! 萌葉はそのギャップが可愛いんだよねーっ。誰か分かってくれるオトコ現れないかなー?ってずっと思ってるんだ!」
突然あたしのことを持ち上げ始め始める桃香。
じわりと顔が熱を帯びた。
三成くんは頷きながら
「いやわかる。萌葉は可愛いよな」
なんて、澄ました顔をで言ってのける。
それに対して「だよね?!」と桃香が食いつくから、恥ずかしくなって「やめてよ……」と袖を引っ張った。
本多くんと付き合ってないなら、三成くんとくっついても面白い……という感じで、お得意の探りを入れているんだ、きっと。
無理にくっつけようとしないでほしいのだけど、言ったところで桃香はたぶん聞く耳を持たないし。
桃香の暴走は止められない……。
諦めたあたしは三成くんの方に体を向けてから、ふたりの会話を無理やり遮った。
「ね、ねえ。あたしそういえば、三成くんに言いたいことがあったんだけど……」
「あ? なんだよ。つーか、またくん付けか」
「う……ごめん。えっと、今朝のことなんだけど。てっきり三成……が来ると思ってたから、びっくりしたというか……」



