◆
◆
「ちょっと萌葉、聞いたぞ!? 今日本多くんとふたりで登校してたらしいじゃん!」
教室に入ってきた桃香が、あたしの机の上にドンっとスクバを置いた。
走ってきたのか、いつも綺麗なカールの前髪が少し乱れている。
「やめて、声大きいよ……っ」
桃香の声はよく通るから、クラスの人全員に聞かれてしまう。
本多くんとは昇降口で別れた。「他のクラスに用事がある」と言っていて、まだ教室には来ていない。
「ようやく萌葉にも男ができたか〜っ。にやけちゃうなあ。しかも相手はあの王子様でしょ? 最っ高です! で、どこまでいった!?」
「? やっ、待って。どこまで?って……何? 話が飛躍しすぎてる……」
一緒に登校したというだけで何を勘違いしたのか。桃香は嬉しそうに話を進める。
◆
「ちょっと萌葉、聞いたぞ!? 今日本多くんとふたりで登校してたらしいじゃん!」
教室に入ってきた桃香が、あたしの机の上にドンっとスクバを置いた。
走ってきたのか、いつも綺麗なカールの前髪が少し乱れている。
「やめて、声大きいよ……っ」
桃香の声はよく通るから、クラスの人全員に聞かれてしまう。
本多くんとは昇降口で別れた。「他のクラスに用事がある」と言っていて、まだ教室には来ていない。
「ようやく萌葉にも男ができたか〜っ。にやけちゃうなあ。しかも相手はあの王子様でしょ? 最っ高です! で、どこまでいった!?」
「? やっ、待って。どこまで?って……何? 話が飛躍しすぎてる……」
一緒に登校したというだけで何を勘違いしたのか。桃香は嬉しそうに話を進める。



